がん経験者のこころの悩みについてがんの専門家がこたえます
特集 がん&食べる(前編)
がん患者さんの多くが「食について悩むことはたくさんあるけれど、専門家に相談した経験はない」と言います。
そこで、今回は、がん経験者である「かんちゃんさん」に自身の食の悩みについて、がんの専門医である犬飼道雄医師とお話していただきました。
(前編)は食べられないときのヒントや体重減少についてです。かんちゃんさんの悩みについてはマンガを、対話の様子は動画をご覧ください。
今回のがん経験者
かんちゃんさん
末期の急性リンパ性白血病Ph-ALLと診断され、余命一週間と告知される。治療により寛解し、その後移植を受ける。現在は病院で看護助手の仕事をしながら、がん患者会を立ち上げて活動している。
今回の専門家
犬飼道雄(いぬかい みちお)先生
岡山済生会総合病院内科 がん化学療法センター 主任医長
消化器、胆・膵がん、原発不明がんなどの化学療法・臨床栄養を専門としている。
かんちゃんさんの悩み
「食べられない」
こころのラジオ
Q1 がんで食べられないときは無理して食べなくてもいいの?
【先生のアドバイス】
・00:08 治療中、食べることができず10kg程減ってしまいました
・03:38 食欲低下のときは脱水予防に点滴や経口補水液が効果的
・03:50 家庭内の食事で悩んでいるときは家族と一緒に病院へ行こう
・05:00 痛みは食欲不振の原因になる
・06:40 抗がん剤治療中に食欲不振になるのもよくあること
・07:25 決してあきらめずに、医療者と連携をとっていこう
Q2 担当医の先生に食べることでの悩みを伝えられないんです
【先生のアドバイス】
・00:08 主治医の先生には治療の相談が中心になってしまい…
・00:35 がん治療は日常生活にも関係すること。医療者と気楽に話してみよう
・02:22 食事のことに関しては管理栄養士に相談してみよう
・04:00 「がん相談支援センター」を知っていますか? セカンドオピニオンや生活環境についてなど、いろいろな相談にのってくれます
Q3 がんになってから減ってしまった体重が元に戻りません
【先生のアドバイス】
・00:08 治療が始まってから太れなくなってしまいました
・00:40 「がん関連性体重減少」と「がん誘発性体重減少」がある
・02:45 栄養補助食品は吸収しやすく体重減少の改善に役立つ
・03:30 年齢が上がってくると20代の人の3倍のたんぱく質摂取が必要
・06:10 「ちょこっとプラス」と「手ばかり栄養法*」を試してみよう
*出典:ヘルスプランニング・あいち、詳しくは『がん&』の特集2を参照
・07:24 今までの食習慣を大切にしながら「食べること」について考えていくことが大事
撮影日:2021年10月7日
編集・取材・執筆:早川景子
動画編集:稲垣優輝・村田茂人(株式会社ワイズアイズ)
漫画:たちばないさぎ
イラスト:宇田川一美
監修:岡山済生会総合病院内科 がん化学療法センター 犬飼道雄 先生
掲載:2021年11月25日